言葉でなく、ダンスで問いかけたい

子どもの頃から踊るか、歌うか、食べるか、寝るか、という子だったという大根田さん。9歳の頃に近所のダンススクールに通い初め「私の道はこれだ!」と感じたといいます。

「小学校から高校までは地元・愛媛のバレエスクールに通っていました。その後、バレエ科のある東京の専門学校へ行ったんです。そこでは、主にバレエを学びました」

コンテンポラリーダンスはいつからはじめましたか?

「バレエのレッスン自体はトレーニングとしてずっと好きだったんです。でもなんかちょっと身体に無理があるかもって気がしてきたときに、とあるダンススタジオでコンテンポラリーダンスのクラスを受けたんです。そのときに、コンテの人たちって自然だなっていう感じがしました。バレエって見た目から入るので、足が長かったりとか、柔らかかったりとか、でもそうじゃなくて良いんだなって発見があって“これだ!”って思ったんですよね」

その後、海外へ行かれますよね?

「ダンススタジオで何年か働いていたんですが、ちょっと状況を変えたいと思ったのがきっかけです。ロンドンに行き、いろいろオーディションも受けたのですが、なかなか難しくて……。そんななかコンテンポラリーダンスのための学校がある事を知り、その学校はダンサーばかりでなく、演技をやってる人、劇場で働きたい人、そういう人が来ているということで、それなら視野が広がって面白そうと思い、そこに入学しました」

作品をつくりはじめたのもその時期ですか?

「留学した学校に、振付学という授業があって、身体にはいろいろな使い方、表現の仕方がありますよってことを、かみ砕いて教えてくれたんです。実践などもあり、作品をつくるって面白いなと思いはじめました」

今回の作品についておしえてください。

「人っていろいろな役割があるじゃないですか。私は、親から見たら娘だし、今妊娠してるから母でもあるし、妻でもあるし、誰かの友達でもあるし、いろいろな自分がいるってことを、普段からよく意識するんです。自分が人と話したり、どういう状況にいるかによって、ちょっとずつカメレオンのように自分が変わっていく、そこらへんをテーマに作品をつくっていこうと思っています」

ダンスの面白さってどういうところだと思いますか?

「ダンスって分かりにくい作品とかもあるんですけど、私はダンスだから伝わることっていう事があるって思っているんです。今回もテーマとか打ち出してますけど、そのテーマについての“答え”って一つでない気がしているんです。作品をお客さんの前にだして“みなさん、私の世界の見え方についてどう思いますか?”という感じで、言葉でなくて、ダンスとして観客に問いかけることによって、観た人からさまざまな答えが聞けると思っているんです」

これからの展開について

「まずはつくり続けて行きたいです。あと、いつかできたらいいなと思うのは、子どもたちにコンテンポラリーダンスを伝えていきたい。みんな身体や顔が人それぞれ違うみたいに、ダンスも人それぞれ違っていて、そのなかで自分も認めて、周りも認めて、協調性とか想像力を育んでいけるような事が出来たらいいなあって……そういうちょっと大きな夢を持っています」

 

昭和音楽芸術学院バレエ科卒業後、LABAN(ロンドン)へ留学。様々なジャンルのアーティスト達との共同作品、プロジェクトに参加。帰国後ゴニョゴニョハウスを結成。
 
 
    





 
■ICiT単独公演シリーズ1-2-3 2012年11月23日(金)〜25日(日)
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